デヴィッド・リンチ:アートライフ を観た
観た。
不気味で、得体の知れないデヴィッド・リンチの発想はどこから生まれるのか。彼の生い立ちや絵の創作活動を通して探る作品。
彼が語る過去のエピソードに合わせて、彼の版画作品が映される。幼い頃の恐怖体験、住んでいた住居、フィラデルフィアの工業地帯、彼の創造力の源泉が過去にあることが分かる。ひとつひとつの作品に過去の体験に基づく物語があるのだ。
数日前に、ヒカリエでやっていたデヴィッド・リンチの版画展に行ってきたのだけど、正直、作品からそういった背景を掴み取ることがまったくできなかった。この映画を観た後に行けば、彼の過去の物語を思い浮かべながら作品を鑑賞できるかもしれない。
フィラデルフィアの風景の映像やそのときの暮らしぶりの話は、イレイザーヘッドを観たことがある人にとって、たまらないものに違いない。廃墟、差別主義、モノクロ、子供が生まれたばかりの夫婦の生活。あの不気味な映画は、その頃のリンチの心象を映像にしたものだ、ということがしっくりくる。