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デヴィッド・リンチ監督作品 ストレイト・ストーリー を観た

観た。脳卒中で倒れた兄に会いにトラクターで560kmを移動したアルヴィン・ストレイトというおじいさんの実話を基に作られた映画。

ストレイト・ストーリー リストア版 [Blu-ray]

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アルヴィンを演じるリチャード・ファーンズワースの輝きに満ちた目、透明感のある声で発される演技は、まるで本人が演じているのではないか、と思えるぐらい役にハマっている。
道行く先々で出会った人々との交流で、アルヴィンの頑固な性格が出てくるのだけど、「あぁ、こういう頑固なおじいさんいるよね! でも、こういう頑固さ、嫌いじゃない。真っ直ぐだ」という気持ちになる。

音楽はデヴィッド・リンチと多くの作品でタッグを組んでいるアンジェロ・バダラメンティ。全体を通して、アルヴィンを表現しているような清廉な音楽が流れていて、これがとても素晴らしい。サウンド・トラックを買いたい。

兄のライルを演じるのは、TWIN PEAKS Fire Walk With Me でも印象的な演技をしていたハリー・ディーン・スタントン。兄と再会するシーンは最後の数分でセリフもほとんどないのだけど、このシーンのアルヴィンとライルの顔の表情や息遣い、声の出し方、そのひとつひとつから目が離せない。
ライルは、弟のトラクターに目線をやった後、徐々に目に光るものが溜まっていく。言葉は少ないけれども「遠いところからあんなものでわざわざ俺に会いに来てくれたんだなぁ。あぁ、泣きそうだ。だが、弟の前で泣くのはみっともない、我慢だ」という心の声が顔の表情だけで伝わってくる。
アルヴィンも数十年確執のあった兄との再会で、確執のあった人物と邂逅するときに誰もがそうなりそうな、少し居心地が悪そうな、目線を兄の顔からさりげなく外した絶妙な演技をしている。 その後、ふたりが目線を上に移した後、星いっぱいの夜空に映像が切り替わり、ふたりがこれからどんな話をするのか観ている人間に想像を膨らませてのエンディングロールとなる。

全体的に話の進み方はゆっくりで、正直途中でダレそうにもなるのだけど、観終わった後になんとも言えない余韻が残る。この余韻を楽しむために、定期的に観ることになりそうだ。