世界のドキュメンタリー カストロVSゲバラ を見た

NHKオンデマンドにあったので、見た。

自分のカストロ(兄)とゲバラの関係のイメージは学生の頃に見たスティーブン・ソダーバーグ監督の映画のそれだったのだが、そのイメージがぶち壊されるドキュメンタリーだった。

www.nhk-ondemand.jp

キューバ革命からゲバラの死までを、当時の映像や音声、作家やかつてのゲリラ兵のインタビューをまじえながら描く。

カストロの立ち回り方が凄まじく、革命中・直後は「私は共産主義者ではありません、決して!」と言っておきながら、アメリカとの関係がまずくなってソ連と組むしかなくなったら「私はマルクス・レーニン主義者です」とか言ってて、(経済の破綻を避けるにはそうするしかなかったのは分かるが)何だこいつ、という気持ちになった。
普通の指導者ならこんなことを繰り返せば何らかの形で引きずり降ろされると思うのだが、それでも長いこと権力の椅子に座り、今日まで生きながらえているということは、彼のカリスマ・老獪さ・人心掌握の能力は本物なのだろうと思う。

ゲバラは、高潔さ・理想の高さ・順従さをカストロに良いように利用され、用済みになったら追放・半ば見殺しという気の毒な感じだった。ゲバラは、メディアでなにかと神聖化して描かれることが多いが、このドキュメンタリーを見ると中庸なポジションが取れるようになってよいかもしれない(とはいえ、このドキュメンタリーも特定の側面だけを際立てて見せているだけなのかもしれないが)。

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